事業報告・収支報告、事業計画・収支予算などの審議をした後、公開の記念講演・シンポジウムや、会員が取り組んだ調査研究内容を発表会を開催し、社叢について、多角的に意見交換いたします。
今年度は6月13日(土)に伏見稲荷大社(京都府京都市)で年次総会と特別講演「古代エジプト・ギリシャ・インド・北魏・隋・初唐の Sacred Grove、遣隋使の役割及び疫病流行への対応について」を開催いたしました。
社叢に関わるさまざまな話題についての講演の後、自由に質疑応答をいたします。会員は参加無料ですが、非会員の方は会場整理費として500円いただきます。本部(京都)と各支部(関東・中部・福岡)で開催しています。
社叢学会では本部(京都:奇数月原則として第4土曜日)のほか、関東支部(偶数月土曜日、中部支部、福岡県支部で社叢に関る様々な問題を考え、議論する定例研究会を開催しています。ぜひ、ご参加いただき、活発な議論をお願いいたします。また、お住まいの地域での研究会開催をご希望の節は、事務局までご一報下さい。
定例研究会の開催方針について
都市やその近郊で「ふるさと」を代表する森である社叢は、適切な管理がされないまま、荒廃状態におかれています。面積が小さく、人の影響を受けやすい社叢を良い状態に保つためには、細やかな保護管理が必要です。社叢学会では、それぞれの地域の財産である社叢を詳しく調べ、その重要性や現状を熟知し、社叢を保護し管理することができる「社叢インストラクター」を養成することが急務であると考え、社叢インストラクター講座を開催しています。カリキュラムは、少人数を対象とした実習に基本を置き、地域に応じた研修ができるようなスケジュールを組んでいます。
社叢学会では東日本大震災直後の理事会でいち早く、被災地における社叢復興支援事業に取り組むことを決めました。
以後、2017年まで現地調査などを続け、このほどその全記録を網羅した報告書を発行しました。詳細
頒価3,000円で販売しています。ご購入はこちらから
こうした報告を受け、今こそ社叢学会がこれまで蓄積してきた社叢管理の知識や経験を活かす時であるという結論に至りました。 第10回年次総会で、東日本大震災復興支援の取り組みとして、被災地の社叢調査を行い、その保全と再生を図ることによって被災地域の人々の心の復興に繋げていこうという取り組みを提案し、満場一致で認められました。
11月16日 | 社叢が紡ぐ地域の絆~いのちと心を守る鎮守の森~ ドナルド・キーン当学会名誉顧問と上田正昭理事長の講演・対談、社叢理事などによるパネルディスカッション 当日の記録は『社叢学研究』10号に掲載しています |
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8月1日~4日 | 宮城県・岩手県の38社叢を調査 | ![]() |
1月17日~19日 | 地元協力体制の構築、土壌化学分析サンプルの採取など | ![]() |
2月13日~15日 | 地元協力体制の構築、復興支援対象社叢の選定など | ![]() |
3月14日 | 狐塚(仙台市)、八重垣神社(山元町)で土壌改良など復興作業 竹駒神社(岩沼市)でこれまでの事業の実施状況を報告 |
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2005年3月25日~9月25日に愛知県(名古屋東部丘陵)で開催された愛・地球博に出展参加いたしました。会場の一画に「千年の森」を造成した他、シンボルタワーであるバイオラングタワー頭頂部に「天空鎮守の森」を作りました。さらに、伊勢神宮の式年遷宮で使われるご神木を木曽の檜美林から切り出す、「御杣始際」が会期中の6月3日に行われたことから、現地と会場を中継で結び、愛・地球広場の大画面に古式に則った檜伐採の様子を映し出すと同時に、日本の森林文化の精髄である式年遷宮の有様を紹介しました。ささやかな森の出展でしたが、社叢の意義と意味を広く伝えるという目的は果たされたのではないかと考えております。
「千年の森」東屋管理要員ヴォランティアをお務めくださった、愛知県神道青年会、雨池ホタルの会、犬山市エコアップリーダーの会、愛知県・長野県のボーイスカウト・ガールスカウトの皆さま、國學院大學、皇學館大学、大阪芸術大学の学生諸君、社叢学会会員有志の皆さま、本当にありがとうございました!!!
社叢学会では、2011年に、水度神社(延喜式内社:京都府城陽市)関係者より依頼を受け、参道樹林について現状を調査し、今後の保全管理の対策を確立する基礎資料を作成しました。
その後、平成24年度大成建設自然・歴史環境基金による助成を得て、社叢の現況調査を実施しました。
ここでは2014年5月の毎木調査の結果と、その折に神社関係者から相談を受けたシイの古木(城陽市保存樹)の樹勢回復と今後の管理について改めて行った調査結果を掲載します。
なおその後、シイの古木については樹勢回復への作業を開始することになりました。
2018年9月の台風21号による倒木被害が大きいことや京都府暫定登録文化財史跡指定を受けたことなどの状況変化を受けて、神社として今後の社叢と参道林のあり方を検討する必要に迫られたことから、引き続き社叢学会に協力依頼がありました。
検討の結果、参道林の現況調査、将来計画策定に向けた基礎調査を実施し、今後の保全方策、再生方策等を立案し、京都府、城陽市役所、周辺住民等と合意形成と役割分担を図りつつ、良好で安全な参道林を保全育成することにしました。